ライフ・ドリーム藤美

日本が急速な高齢社会化へ向けて進み始めた昭和62年に、札幌の特定施設の先駆けとしてオープンした「ライフ・ドリーム藤美」。現在の福祉・介護サービスへのニーズの高まりを先見していたかのような同施設の伊藤義顯社長に、開業の経緯と運営に込める思いを聞いてみた。

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株式会社 ライフ・ドリーム藤美
代表取締役社長 伊藤 義顯 氏

地域社会への恩返しのため 21年前から貫かれる熱い思い

川部 私の母は64歳なのですが、足が不自由なため介護認定を受け、今はデイサービスに通っています。これがきっかけで、福祉や介護に興味を持つようになりまして、21年前から特定施設を運営される伊藤社長にお会いできるのを、楽しみにしておりました。

伊藤社長 こちらこそ楽しみでしたよ。よろしくお願いします。

川部 早速ですが、「ライフ・ドリーム藤美」はオープンが昭和62年ですよね。札幌は昭和59年に高齢化率が7%を突破して、すでに高齢化社会に突入していたとはいえ、当時は今ほど福祉・介護への認識がなかったと思うのですが、なぜ有料老人ホームを始められたのでしょう?

伊藤 私は白石地区の民生委員を30年間務めていました。一般には生活保護認定の人たちの世話をするのだと認識されていましたが、主な仕事は援助を必要とする人が自立した生活を送るのを手助けすることで、老人と接する機会も多い活動でした。その中で、激動の昭和を共に生き、今の日本の繁栄を築いてくれたご高齢の方々に、楽しい余生を送ってほしいと思うようになりました。利益は考えず、私なりに地域社会への恩返しがしたかったのです。

川部 そうですか。でも、介護保険導入前の福祉行政のなか、ご自分で有料老人ホームをオープンされるには、いろいろ苦労もあったのでは?

伊藤 まず東京や大阪、海外では当時から福祉国家といわれるスウェーデンやノルウェーなどへ、どのような施設を造ればいいのか勉強に行きました。例えば個室型の施設では入居者の状況把握の体制が整っていないために、個室で亡くなった方が何日も気付かれなかった事例を聞き、当施設では点呼ではなく3度の食事を用意して、こまめに入居者の状況を確認するようにしました。また、入居者が転倒しやすいお風呂を共同浴場にして、転倒防止や即対応ができるようにしています。それまでの慣習にとらわれず、徹底的にこれがベストだと自分で思えることを取り入れたつもりです。

川部 あくまで入居者本位の施設を目指すためですね。その他に導入したことはありますか?

伊藤 入居者それぞれの自立を考え、またプライバシーの面でも安心して暮らしていただきたいので、居室は完全個室にしています。

川部 平成18年4月に改正介護保険法が施行されるなど、福祉・介護をとりまく状況は急速に変化していますが、今後の対応は?

伊藤 オープン時に十二分に検討したものですから、設備やサービスをこれまでから何か変えることは考えていませんね。

川部 当時の最先端の考え方は、今も通用するということですね。大変素晴らしいと思います。

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誰もが安心して楽しく暮らせる 環境を提供いたします

川部 施設運営の基本理念や運営方針をお聞かせください。

伊藤 基本的に入居者が「安心して楽しく暮らせる」ことを第一に考えています。そのために生活支援、介護、医療支援や食事のサービスなどを提供する専門スタッフをそろえ、健やかな毎日が過ごせる環境を用意しました。

川部 スタッフの方にはどういった指導をされていますか?

伊藤 入居者はそれまでの人生で様々な経験をされ、それぞれの価値観や感情をお持ちです。ですから、一人ひとりに対する接し方をよく考えるよう伝えています。入居者はもちろん、スタッフもまた十人十色ですから、得意分野なども人それぞれ。各人の長所をより伸ばし、福祉を志したときの思いを支えていけるように配慮しています。

川部 入居者やスタッフのみなさん、一人ひとりと真摯に向き合っているということですね。施設の代表としては、具体的に入居者の方とどのような接し方をされていますか?

伊藤 つい先日の新年会や敬老会のときなどは、かしこまりますが、普段は立ち話と変わりませんよ。廊下ですれ違うときに声をかけたり、スタッフに声をかけるときも一緒ですね。

川部 社長の気さくさが伝わります。もしかして近寄りがたいオーラが出てるかと思いました(笑)。

伊藤 それではみなさんの輪の中に入れなくなりますよ。私はいつもネクタイをしません。ホールで楽しく囲碁をしている場面などに、自然と混ざりたいですから。

川部 常に入居者のみなさんが安心できるように心遣いをされているのですね。今日は、いろいろとお話しいただき、ありがとうございました。

介護付有料老人ホーム
ライフ・ドリーム藤美

電話:011-873-3131
札幌市白石区菊水元町2条1丁目8−36
http://www.rak2.jp/town/user/life_dream/

【インタビュー】
FP・社労士事務所 川部商店 川部 紀子さん
1973年生まれ 34歳 占冠村出身
誰にでも分かりやすい講演を常に心掛ける、CFPと1級FP技能士の資格を持つファイナンシャルプランナーにして社会保険労務士

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