Bonkers 株式会社ボンカーズ

HOME > ブログ

カレンダー
2013年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
■株式会社ボンカーズ
  〒060-0061
  札幌市中央区南1条西
  8-9-1エコネットビル4F
  TEL:(011)281-5433
  FAX:(011)281-5453
  E-mail:info@bonkers.jp

アクセスマップはこちら
やまさんのハッケン日記VOL.40「大興奮の本屋散策」

やまさん1人の時間を愛する社会人1年生。落ち着いて見えるらしいが実際は小心者な女。004.gif

 
 私は、よく本屋へ行く。
 大型書店も小さな書店も、古本屋も専門店も、とにかく本屋ならば入ってみる。特に何かを買うために行くのではなく、本屋という場所が好きなのだ。


 もちろん本を読むのは好きだ。読むのはたいてい近現代小説かカルチャー系の雑誌という偏りはあるが、1週間に2〜3冊は読むように心がけている。


 本が好きな人が本屋に行くのは当然の事かもしれないが、私は、数えてみると月に20回程度も本屋に足を運ぶ。何度も行く本屋もあれば、初めて入る本屋もある。何となく足を運んでしまう場所だし、何となく行っても存分に楽しめる場所だと思う。
 近年になって札幌中心部に大型店舗が何店もできた。その当時まだ学生だった私は、授業の合間をみては街に繰り出して、本屋散策を繰り返した。その習慣が今も続いているのである。


 それだけ色々な本屋に何度も足を運ぶと、様々な事が見えてくる。


この本屋はデザインの本が多くあるけれど、規模の割に広告に関係する本は少ない
とか、


新書はオールジャンルまんべんなくあるのに、文庫には偏りがあるな
とか、


この店は系列店よりだいぶ自己啓発本が多いな
とか、


ファッション誌の在庫やバックナンバーが豊富だ

とか、たくさんの本がある大型書店でも店によって特色が見えてくるのだから、置くスペースが限られている小さな書店ではなおのこと本が厳選され、特色が強く出る。


 

 そんな、いわば「本屋の性格」を見るのがとにかく楽しいのだ。
 有名作品だけではなく文豪の知名度が高くない短編集や対談集など、他の店には置いていない様な本を見つけると、まるで宝を見つけたかのように嬉しくなるし、ますますその本屋が愛おしくなる。
 ふむふむ、と真面目に本を物色しているように見えて、心の中では大興奮で本棚を眺めているのである。それだけであっという間に時間が過ぎてしまい、閉店時間ギリギリまで本を眺めている事もあるほどだ。





 それだけ本を眺めているとついつい買ってしまう事が少なくない。
 つい最近買った本は『舟を編む』(三浦しをん氏著)と、『新解さんの謎』(赤瀬川原平氏著)の2冊である。どちらも辞書にまつわる作品だ。本屋に膨大にある本の中でも本にまつわる本を選ぶとは・・・と母親にもあきれられる程だったが興味のあるのだもの、仕方がない。




新解さんの謎.JPG
『新解さんの謎』(赤瀬川原平氏著)





 そんな私の本棚は、まだ読めずにいる本が30冊近くもある。
本屋をまわる時間を読書にまわせば読めるだろうが、まだまだ本屋散策の生活は続きそうだ・・・。




やまさんのハッケン日記VOL.39「熱い想いの演劇鑑賞」

やまさん1人の時間を愛する社会人1年生。落ち着いて見えるらしいが実際は小心者な女。004.gif


「いま札幌に足りないのは、エンターテインメントだと思う。」


これは2010年の夏頃、まだオープン前だった札幌中心部のレンタルショップに、広告として掲げられていたキャッチコピーである。
レンタルショップの宣伝ではあったが、私はこれを見て「演劇にとってもその通りだ!」と、心密かに思ったものである。



私はここ2〜3年、演劇鑑賞にハマっている。昨年は大小問わず様々な公演、計13回劇場に足を運んだ。東京や大阪まで観に行った事もある。観た作品もバラバラで、劇団四季の「ライオンキング」はもちろん、地元である札幌の小さな劇団の公演まで様々だ。



つい先日も、小林賢太郎氏が脚本・演出・出演する「うるう」という演劇を観てきた。
氏の大ファンである私は胸を弾ませながら劇場に向かい、舞台の上で繰り広げられる世界をたっぷりと堪能し、時に笑い、時に涙した。このブログを書いている時点でまだ公演中の舞台なので多くは書くことができないが、心温まり、笑顔で劇場を後に出来る素敵な公演だった。



uruu.JPG
「うるう」のポスター。1人の男と1人の少年の物語。


劇場では演劇鑑賞仲間とも合流し、開演前は緊張を分かち合い公演後はそれぞれに感想を語り合った。演劇鑑賞の醍醐味は演劇を観るだけではなく、一緒に見た人、そして役者と同じ時間を共有する所にあると思う。同じ内容で同じ会場であっても、公演日によって表情が微妙に違う。その瞬間瞬間を共有できるのがなによりも楽しいのだ。


演劇が趣味であるため、一人で演劇を観る事も多々ある。しかし、そこで受けた衝撃や感銘といった、感情の揺らぎを誰にも伝えられずに自分の中で燻らせてしまう。それは少しさみしい。
しかし、演劇を一緒に観に行こう、と人を誘うのは本当に難しい。
北海道には劇場が少ない。そして劇場が少ない分、有名な役者が出演する演劇も少ない。そして、一回の演劇のチケット代もかなりかかる。有名な役者が出演するものとなると5〜7000円が相場で、それ以上のものも多くある。それが2時間弱の時間で消えていく。未知の世界のものにそれだけの金額を投じる事を簡単には勧める事が出来ない。



それでも誰かに勧めたいと思うのは、良いものを共有したい、ただその一心だ。
生で繰り広げられる世界に勝るものは無い。その場に居るだけで、その世界のパワーに魅了され、圧倒され、感じるものがある。その感覚を味わってほしい。あわよくば共有し、共感したい。その一心なのだ。



機会や経験がなければその良さもわからない。足りないと思うだけではなく、積極的に飛び込んでしまえる勇気と、それが出来る環境が生まれれば、きっともっと演劇というエンターテイメントが身近で楽しいものだと気がついてもらえるはず。



「いま札幌に足りないのは、エンターテインメントだと思う。」が、
「いま札幌で熱いのは、エンターテインメントだと思う。」
に変わる日を夢見ながら、私はこれからも演劇を楽しむだろう。